はじめに

 

 
 テレビなどで時代劇を見ていると、盗賊が土蔵の鍵を破り千両箱を盗み出すと行ったお馴染みのシーンをよく見かけます。土蔵を町の商人は、お金を納めて置く金蔵や、美術品や陶器類を火災などから守る防火保管蔵として使っていました。農村では収穫した米や農作物をネズミや狸など野生動物から守るためや、夏の暑さ、冬の寒さから守るために生活の中心として大事に使われてきました。


 土蔵は、単なる物入れとしてではなく家の財産を守るという重要な役目を果たしてきました。それは、戦後、40年代位までは続いていましたが、その後、生活環境の変化、土蔵に代わる設備機器の発達なので、すっかり土蔵の存在価値が薄れてしまいました。それとともに、土蔵に関わっていた左官職人も仕事を離れざるおえませんでした。気付いてみると、日本の土蔵は荒れ放題、直せる職人も高齢化とともに激減、後継者もいない状態です。


 東日本大震災後、関東から仙台あたりの東北を見て回ってきました。土蔵は思った以上にしっかりと残っていました。ある東北の集落では約40世帯に30個は土蔵が残っていました。しかし、ほとんどの土蔵は修繕が必要とする状態でした。辛うじて今、修繕すれば間に合うだろうという状態でした。2割程度の土蔵は、直してあるか、直す必要のない物でしたが、後の6割は漆喰い壁が一部や全部が落ちてたりして土壁が露出してしまって修繕がすぐにでも必要な土蔵でした。残りの2割はもう手遅れの状態でした。このまま、修繕しないで20年経つと間違いなく修復可能な土蔵は今の半分ぐらいまでに減ってしまうでしょう。


 また、直してある土蔵の中には、住宅用の外壁材(化粧トタン板)で覆ってしまった土蔵やモルタル仕上げで直してしまったも数多く見かけました。地元の工務店さんや建築会社が本格的な修復技術のないまま手がけた結果だと思いますが、これをやると、土蔵は、土壁の水分調節機能を絶たれるため、壁の内部が夏の暑さでボロボロになったり、梅雨の時期には土蔵内部に湿気がこもり、カビが発生したり、結露をするようになります。そして、より早いスピードで土壁が崩壊していきます。土蔵の持つ品や風格もなくなってしまいます。


 在来の技法に新しい技術を加えて修繕すれば、壁落ちが起きない耐久性の高い、土蔵として蘇ります。孫の代まで残ります。是非この機会に、土蔵の修繕をお考え下さい。

 

土蔵は、究極のエコ建築

 

外観は、傷んでいますが中は、まだまだきれいでしっかりしています

 

ここまで傷んでいると外壁を全て剝がして張り替えるようにまります。

一見壊れているようですが、白壁の一部がはがれているだけです。

 

 

 

土蔵は、修復を前提に作られています。

土蔵の起源は正確にはわかりませんが、室町時代の京都にまで遡ると言われています。その頃の建物に関する考え方は、今とはかなり異なっていました。今の建物は、時間が過ぎて痛んできたらそっくり元から建て直すことを前提に造られています。誰もがそれを当

たり前と思っています。しかし、土蔵や藁葺きの屋根の家(白川郷の合掌造り)などは、痛んだ所だけを直しながら、百年、二百年と使っていこうと考えの基に建てられています。

地震などの災害で土台からだめにならない限り、壁などの部分をその都度、修復していくことで孫の代までも受け継いでいける建物なのです。白壁などが落ちてもそれが、その土蔵の終わりではありません。

 

土蔵の機能性の高さが見直されています。

土蔵は、高温多湿、四季の変化の激しい日本の気候にあわせ、昔の日本人が英知を絞って考え出した、世界に誇れる建物なのです。いつまでも大事に使って欲しいです。
現代は、土蔵よりも優れた保管設備は沢山あります。冷蔵室、冷凍室などが主流になっていますが、そこまで保冷しなくてもいい物(例えば農産物)などの保管には、今の時代でも最も優れた建物です。また、火災に強く江戸時代は、大切なものは、みんな土蔵の中に仕舞っていました。
 

土蔵の構造 

土蔵は、内壁(漆喰)、土壁、メッシュ、砂漆喰、外壁(漆喰)の五重構造になっています。そして一番大事な土壁は30cmほどの厚さに造られています。なぜそんなに厚い壁が必要かと言えば、外気を遮断し、土蔵内を多少の幅はありますが安定した温度、そして、湿度を保つことで、結露をしないカビの生えない室内を作り上げています。
 

 

修復について

 

まだ100年経っても現役としてがんばっている土蔵が全国には、沢山あります。

 

 

この修復工程は、一番多い白壁が剥離、脱落してしまった場合を想定しています。


 

 修復の順序

 土壁まで傷んでいる場合、土壁をはがして塗り直すようになります。そしてその上に鉄筋と金属製のメッシュをはって(メッシュをはる工程は、昭和になってから開発された新しい工法です)、鉄筋、メッシュで、上部に塗る砂漆喰、漆喰が剝がれるのを防ぎもす。地震等の揺れにも強くなり、数倍長持ちするようになります。
 

工事期間

表面の漆喰の塗りなおしで、20日程度掛かります。土壁からの修復だと、最速で半年、1から2年かかる場合もあります。何故なら土壁は、最低でも3回に分け30cmの厚さまで持っていきます、1回に10cm程度塗ったら2,3か月休ませなければなりません。土壁は、たっぷり水分を含んでいます。その水分が十分に抜けきらないと次の工程に進めません。又、冬季期間(12月半ばから3月まで)は、土壁塗り作業はできません。土壁の中の水分が凍ってしまうと最初からやり直しになってしまいます。
土蔵を直すのには、現代では考えられない位の手間と時間がかかりますが、その分大きなメリットも有ります。その辺を理解した上、ご要望下さい。
 


 

修復する上の注意点

●住宅用外壁材で覆わない‼

住宅用外壁材で覆うと工期は早いですし、費用も安い。見た目も今風できれいです。
しかし、外壁材で覆ってしまうと、湿気、熱気が抜けなくなってしまい、土壁の機能が死んでしまいます。

●モルタル仕上げをしない!!

モルタル仕上げをすると、見た目は、漆喰仕上げと見分けがつかない仕上がりにできます。現代の進んだ技術だと勘違いしている人も多いです。モルタル仕上げはセメントで覆ってしまうことです。結果は、外壁材で覆ってしまうのと同じ土蔵の機能が失われてしまいます。
 

費用とお見積りについて

 

この土蔵の東面、南面2面で400万円程度でした。


 

 
 

 


 

 お見積り

 
お見積りご希望の方は、「お見積り依頼フォーム」からお願いします。
依頼された場合、現地に赴き一度下見をさせて頂いてからお見積りさせて頂いております。(無料)
修理の意思がなく見積もりだけの場合は、その趣旨をお知らせください。
 


お電話でご希望の方は、 TEL.0248-29-8654 までご連絡ください。
 

施工会社

 

 

小針左官工業

一級左官 技能士 福島県知事許可(般-53)第11623号

小針 光一 

〒961-0862 福島県白河市七番町8
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親子二代、関東、北関東、南東北を中心に左官業を行ってきた、昔ながらの左官屋です。